
実を申せば、サイトを突然休眠したのには色々理由があります。
うん、何かいっぱい。いっぱいある。
くだらない事から、深刻な事まで、もーホントいっぱい。
その1つに「自分はグランゾートという作品を誠実に見ていないんじゃないか?」という疑念があって、これは突然降って湧いたモノではなく、それこそ自分のGZ世界を真剣に考え始めた頃からずっとまとわり付いているモノです。
ついつい面白おかしくネタみたいな感じで書いてしまいますが、アタシはTVアニメの「魔動王グランゾート」という作品全編を未だ映像で見ていません。
確かに広井さんの小説はちゃんと読んでますし、OVAも見てますが、TV本編は本や雑誌、同人誌という間接的な媒体でしか把握していないんです。
これ、2次創作を綴る人間としては本当に大問題だと思います。
作品そのものを自分の心で実感しないまま、あれこれと設定を勝手にくっつけて、その未来世界をこれまた勝手に創造してるワケですから、やっぱり何か歪んでいると思います。
そういう事で、アタシは、「魔動王グランゾート」を愛してるのではなくて、自分の作った世界だけを愛してるんじゃないかとずっと思ってました。
「グランゾートが好きだ!今でもこのアニメ以上に愛する作品はないと断言できる!・・・でもさ・・・そう言いながらアタシ、見てないじゃん。グランゾート、まるっきり見てないじゃん。それで好きと胸張って言える?見てもいない作品を愛があるからって勝手に未来作って、それってちょっとおかしくない?つまりアンタは自分の為に作られた、自分の為の世界を成立させる為だけに、グランゾートを利用してるだけでしょう?」
いや違う、利用なんかしていない!と思いたいのですが、でも現実、アタシはグランゾートを見ていないんです。自分の、グランゾートへの愛を裏打ちできる説得力が全くないんです。そんなに悩むくらいなら早く見りゃいいんでしょうが、ここでもまた微妙な感情が湧き出てきまして・・・
何つーか、本当にもったいなくて・・・
リアルタイムでは指2本で足りる話数しか見れなくて、かといって我が家は堂々とアニメを見られる家ではなく、小遣い帳も月末に収支合計のチェックが入る状況でしたから、レンタルビデオなんか借りられるワケもなく。
年を重ねれば重ねるほど、アニメやマンガは無視しなくてはいけない類なのです。
そういう「子供文化」に執着するのは、「頭がおかしい、いびつな人間」なのです。
母はそういう意見の人でした。
アタシはその頃、自分というモノがなく根無し草だったので、そんな母に真っ向から反抗できませんでした。そうこうしてる内に、レンタルビデオ屋から「グランゾート」作品は消えていき、借りられるような状況になった時には、探しても全く見つからない時代になってました。
結局アタシは大人になっても、「グランゾート」を見る事が叶わず、だからこそ、その思いを2次作品に反映させる事になるんですが・・・。
そうしてやっと手に入れた「魔動王グランゾート」DVD。
アタシの10数年にも及ぶ焦燥が、このDVDに全て詰まってて、そして開放させてくれるモノです。
あのどうしようもない葛藤が終に決着、と思うとやっぱりひるんじゃうワケですね(苦笑)。
本当に恐れ多くて、どうもいけません。
ちょっと話がズレました(笑)。
まぁ、自分のモチベーションに自信がなくなったんで、自分の世界からしばらく身を引こうと、気の済むまでサイトを休眠させる事にしたんですが。くれぐれも言いますが、それだけが理由じゃないですよ。数ある理由の1つとして捉えて下さい。
で、オフの原稿にも手を付ける気にはならず、気が向いた時だけ連載SS「ライムの話」を詰める、みたいな日々を過ごしてるんですが・・・少し離れた事で分かってきた事があります。
アタシの好きキャラにしては、ラビのようなタイプは非常に珍しいと思います。
口は悪いし、意地っ張りだし、何しろあの子、自分で自分を軽んじてるし(笑)。
でも、好きになりました。
何でだろうと考えたら、アタシ、彼の心の中に「もがき」を感じたからじゃないかと思うんです。
人を、自分を認めたいのに、何かが邪魔して、どうしても認められないっていう彼に、アタシは自分を重ねました。
そういう風に、自分から面倒な事に関わる事のなかった彼が、必死で行動し、そうして助けた氷の女王は救えず、我の無力さに涙する彼に、本当に共感しました。
その「もがき」を、最終回に彼はしっかりと昇華させ、そして「マジカル大戦」では、耳長族、高耳族として自分を肯定してる姿を見る事もできました。
大人ぶって片意地張りながら生きてきた、そんな不幸な彼が、自分を変化させた事よって本来の、少年である自分に戻り、そうした「自分を出せる幸福」に、アタシは自分事のように嬉しく、微笑ましく、そして彼の、その身に秘める限りない可能性に、穏やかな未来を感じるのです。
つまり、ラビの変化はアタシに、魔動戦士3人の変わらない友情、温かい信頼関係を透けて見させてくれ、その上で「グランゾート」の明るい未来に思いを馳せたのではと思います。
アタシの「グランゾートが好き」という根源は、「グランゾートという作品そのもの」以上に、「ラビと、魔動戦士3人と、彼等の世界の未来を見たから」、が由来するんだなぁ、だからこそアタシは彼等を綴りたいんじゃないかなぁと思うワケです。
アタシは自分のサイトが大好きです。
自分勝手で独りよがりで、自己満足の何者でもない内容で綴られているけれども、アタシの中に溜まり続けてきたどうしようもない"澱"が、平凡でおまけに情けなくてそこら辺に転がってるような"青春"が、大好きな「グランゾート」の世界でキラキラと精一杯、輝いてくれるからです。
アタシはラビさんが好きです。本当に大好きです。
ラビさんはアタシの代弁者であり、自己投影であり、分身です。
彼の感じてる事はアタシの感じてた事であり、彼の苦悩はアタシのあの頃の苦悩でもあります。アタシは自分の青春を昇華できなかったもどかしさを、彼にずっと助けてもらっています。彼と出会ってから現在に至るまで、この今という瞬間にあっても、彼はずっとアタシの中の"澱"を昇華し続けてくれる、大切な存在です。
アタシは女で、彼は男ですが、彼の物語はアタシの物語です。
アタシの思いの起因は、確実にTVアニメ「魔動王グランゾート」にあるって事は分かったんで、今はこれに納得して、話を綴っていっていいのかな・・・とおぼろげながら思う最近です。

やっぱりラビは好きですね。萌えは無関係で、心から愛しむ、そんな子です。

・・・しかし何でアタシは彼等が「男」でなくてはダメなんだろうか・・・というより、何故性別に由来する違いをまともに意識して綴るのかって事でしょうね・・・相変わらずこのテーマは難しいですなぁ。